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2023年9月12日
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リレーエッセイ 第5回 「あなたは悪くない」

            「あなたは悪くない」
                     CAP歩歩代表 大久 栄

 心に問題を抱えている人の話を聞いたり書いたものを読むにつけ、私は「あなたが悪いんじゃない」と言いたい。子どもは親や関わってくれるおとなから、安心を充分にもらわなければ自信や自尊感情を持ちにくいのです。子育てはおとなからの目線で語られたり書かれることが多い。子どもの気持ちは?誰が子どもの気持ちを代弁してくれるのだろう。「子どもだから」と黙らされたり、「子どものくせに」と無視されたり、子どもの受難は昔も今もずっと続いている。
 20世紀半ばに米国の心理学者アブラハム・マズロー氏が発表した「5段階のニーズ」は、心がどのように成長するかを証明した論文で、今やマーケティングにも応用されている程活躍している。これは子どもを育てる上でとても役に立つと思うのだが、未だに一般的ではないようだ。暴力防止にも説得力があるので、私はCAPの大人向けワークショップで取り入れて説明している。
マズロー氏の「5段階のニーズ」とは、5段階の1段階目が生理的ニーズ。授乳やオムツ替え、抱っこ、愛情をこめて見つめてもらうことが必要。2段階目は安全欲求ともいい、安心を充分にもらうことが必要。日常的に暴力や暴言が家庭内にないこと、無視せず尊重してもらえること。3段階目は社会的欲求といい、人との良い関係性を必要とする。家庭の中での良好な尊重し合える人間関係が必要だと解釈している。この1~3段をおとなに与えてもらうことで、4段階目の自己肯定感・自己尊重が育つ。目から鱗ではないだろうか。安心の心は子ども自身に自然に芽生えるものではない。安心の少ない子ども時代を持つ人は、極端に不安や心配ごとが多いようだ。学習するにも安心な環境は多くのことを吸収できる。授業が楽しいと好き嫌いに関係なくその科目の成績が伸びる。そんな経験はないだろうか。安心な気持ちが能力を伸ばす証だと思う。
心に問題を抱えた人には、親の育児のつまずきがないだろうか。親や養育するおとなが子どもに充分に安心を与えられていない結果、あなたが自信をもてなかったり、人を警戒したり信じられなかったりするのは、「あなたが悪いのではない」のです。
もし、この5段階のニ-ズのどこでつまずいているのかがわかれば、そこにアプロ-チすることで楽になるでしょう。それには信頼できる人が必要で、話をしっかり聞いてくれる人やカウンセラ-がいると良い。きっと近くにいるはず。まだまだ社会は捨てたものじゃないよ。




2023年9月12日
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リレーエッセイ 第4回 「人間の平等ついて」 

剣客商売」第5シリーズ 第6話~その日の三冬~
「人間の平等ついて」     いきいきFネット秋田 高田生子

テレビドラマ藤田まこと主演「剣客商売」は、池波正太郎原作によるもので
江戸時代の武家社会から庶民の暮らしぶりまでさまざまな人間模様が描かれている。BSフジ7月27日再放送~その日の三冬~では、女剣士・三冬
(寺島しのぶ)にスポットがあてられていたのでモニターしてみた。
三冬は老中田沼意次の娘で、今は剣客秋山小兵衛(藤田まこと)の長男秋山
大治郎(山口馬木也)の妻となっている。時は江戸時代。身分制度の縛りの厳しい時代である。ある日、三冬は亡き母の墓参りの途中、5年ぶりにかつての道場仲間の岩田勘助(本田博太郎)に会った。勘助の身分は低く、とある旗本に仕える足軽だった。三冬とは同じ道場で腕を磨きあう間柄で勘助はかなりの腕前だったが、誰からも相手にされないほど醜い容姿の男だった。しかし、三冬だけは常に優しい言葉をかけ、剣の相手もしていた。勘助は今、角倉という旗本に仕えているという。その角倉家の一人娘お絹におりしも良縁が持ち上がっていたがお絹には恋仲の青木丹三郎という侍がいた。そこでお絹は別れの逢引きをすると、丹三郎は別れ話に納得せずお絹に襲いかかる。止めに入った勘助は丹三郎に怪我を負わせてしまう。青木の家は同じ旗本でも角倉家より格上である。翌日勘助は主人角倉伊織の「詫び状」を持って青木家に詫びに行くが昨日の主人の優しい言葉とは裏腹に「下手人を差し出すから好きなようにしてよい」というものだった。勘助は主人の理不尽な扱いに逆上し、青木の家来を斬りつけ通行人の女を人質に空き家に立て籠もる。そこで説得に入ったのが三冬である。秋山小兵衛
夫秋山大治郎が見守る中、三冬は勘助の血と泥に汚れた手を我が手で包み「勘助その女を放してやりなさい」と静かに訴える。勘助はこれ迄も周囲の侍たちに人扱いすらされず蔑まされてばかりだったが、それでも三冬だけはいつも優しく寄り添うように接してくれた。「勘助、人は皆、平等よ」。鬼畜となって逆上していた勘助であったが我に重ねられた三冬の柔らかい手、頬に伝う涙に勘助の心は次第に真人間に戻っていく。濁り切った武家社会の泥沼に沈んでゆく勘助の自害の姿に三冬の涙は止めどなく流れ落ちる。
 三冬と勘助の心の通い合いは何だったのか。「人間(ひと)は皆、平等よ」
と三冬に言わせたのは脚本の古田求であろう。身分の上下関係や、容姿に関わらず人間は皆平等でなければならないと。勘助は泣きながら三冬に「もう一度お目にかかれて思い残すことはござりませぬ」と言い、自害して果てる。自分を絶えず人間として扱ってくれた三冬には恋情だけでなく、人間同士の心の交い合いがあったから三冬の言葉を受け止めて自害して行ったのだろう。
   
2004・3・9フジテレビ系列放送  原作・池波正太郎 監督・井上昭
脚本・古田求  制作・フジテレビ 松竹   2023・7・27再放送


2023年7月7日
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リレーエッセイ 第3回            

女性だからと意識せず、住んでいて楽しい町内会をつくる!

                          工藤 八重子

 保戸野地域の活性化を図るため「菊谷小路いきいき町づくりの会」を立ち上げたのは7年前。この3年間は、コロナ禍で大勢が集まることは出来なかったが、小さな活動は地道に続けている。

そんな中、保戸野地域には伝統的な「お祭り」がない!

コロナ禍ではあったが、「菊谷小路いきいき町づくりの会」を母体として2年前「保戸野いきいき音頭」を作ろうと実行委員会を立ち上げた。老いも若きも一緒に歌いおどり地域を盛り上げる役割を持っていると考えたからです。今年3月31日にCD製作が完成し,まもなく振り付けも仕上がって、この5月、6月とあちこち出前振り付け、踊りお披露目などてんやわんやの日々です。

 さて、この音頭が地域に根ざし、ゆくゆくは保戸野独自の「盆おどり大会」開催となるよう、広報手段として完成記念誌(記録誌)の作成を企画し、この音頭に関わった方々のメッセージ掲載のための原稿集めや、「保戸野の歴史」にふれるページなどを設け、今その資料集めをしているところです。

保戸野の地名はいつからそう呼ばれていたのか。

一時、「歴女」などとブームになっていたがまさしくそれ。にわか「歴老女」と化し、老眼鏡、虫めがねを友に資料をあさりまくっている。資料はたくさん集めたものの、はたしてどうまとめるのか頭を悩ましているところです。

 慶長7年(1602)佐竹義宣氏が水戸から秋田に国替えされ、はるばると長い旅を続けて土崎湊城(今の土崎神明社)に入城。湊城は古くから安東秋田氏の平城であったが、義宣氏にとってはあまりにも狭い防御の薄い城郭であったので、早速適地を求めて新城を築くことになり、寺内山と保戸野村山(神明山)の候補が上がった。

 義宜氏自身の実地検分の結果、寺内山より保戸野村山(神明山)が勝っていたが、仁別川(旭川)を堀替えることで保戸野村山(神明山)に決定。保戸野村山(神明山)は今の千秋公園のことである。

 今から400年以上も前から既に「保戸野」の地名があったことを知り単純に感動した。保戸野は楢山と並んで、安東秋田氏領の当時の山と野の自然地名だったという。

 まずは、これから何日かは ほどの、ほどの・・・。保戸野の歴史と格闘する日々が続きます。記念誌完成予定は8月を目指しているところです。

うれしいことに、8月19日(土)に保戸野学区子ども会育成会が共催して「ほどの盆おどり」大会開催が決まりました。ヤッター!!

参考資料

『久保田城ものがたり』 著者:渡部 景一  発行者:安倍 甲  発行所:無明舎出版     

『佐竹氏と久保田城』  秋田の城の歴史と物語   無明舎出版

『久保田城下町の歴史』 著者:渡部 景一 発行者:安倍 甲  発行所:無明舎出版


2023年4月5日
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リレーエッセイ   第2回 私のおすすめの一冊 

「スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む」

                 日本の大学生は何を感じたのか 

                              三村 敏子      

 国によってこんなにも違うものかと、大変驚きました。まず驚いたのは、小学生がデモ行進している写真でした。世論を形成するために何ができるでしょうか?という問いがあります。なぜ世論を形成するのか、それは、例えば学校のカフェが閉鎖されないように、多くの人の賛同を得て世論を形成し自分の考えを支持してもらう。世論を形成し、それによって決定に影響を与えるためのコツが示されています。

 *あなたの友人や親類から署名による支援を集めましょう。

 *地方の新聞に投書しましょう。

 *フェイスブックでグループを作りましょう。

 *人々を集めてデモを行いましょう。

 *責任者の政治家に直接連絡を取りましょう。

私もこれまでの人生で、ゴルフ場建設反対運動で集会を開いたりしましたが、これは、世論の形成を行う活動だったのかと、あらためて思いました。

また、社会とは何か、考えてみましょう。という問いがあり、社会とは目に見えるものと見えないものがあります。目に見えないものは、例えば法律・男女の役割・男女平等・民主制そして税金。目に見えるものは、学校や病院・道路・家・車・牢屋など。私たち人間もそうです。と書いてあります。社会とは何か、みなさん、考えたことがありますか?私は考えたことがなかったと思います。

日本の大学生がスウェーデンの教科書を読んだ感想が載っています。日本の教科書では正しいとされる答えがきまっていて、それを暗記するだけだけど、スウェーデンの教科書では、それが正しいかどうかを考えさせるという感じ。

やさしく書かれていて、すぐに読めます。教育の重要さを再認識させられた一冊です。


2023年3月26日
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リレーエッセイ   第1回 川崎大会 

NPO法人いきいきFネット秋田

  

                   理事長 佐藤 加代子

 2月4日、5日と川崎市男女共同参画センターで開催された第66回全国女性会館協議会の全国大会に参加してきました。新型コロナ感染拡大の為、熊本大会、秋田大会はリモート開催でしたので、川崎大会は3年ぶりの対面開催となり、昨年度の第65回大会でお世話になった皆様にお礼を申し上げることができました。

 今年のテーマは「ジェンダー平等を実現しよう」でした。基調講演は「家族からはじめるジェンダー平等~カウンセリングの現場から~」信田さよ子さんが講師でした。
 信田さんは、「DV法が出来た時に、それまでは無かったことにされた夫から妻への暴力を国が認めた。しかし、それは防止法であってアメリカやカナダのように禁止法にはなっていない。暴力というものに本格的なメスは入っていない」「夫婦や親子間で、権力が行使されているのに、力の差が見えなくされている。それは常識ということば、普通の家族じゃないという言い方に現れる。家族のイメージが、ジェンダー平等は玄関で止まっている。」と話されました。ご自身の原宿カウンセリングルームで、日本国中からのクライアントと向き合って来られたお話は、説得力にあふれたものでした。

 翌日の分科会では、男女共同参画センターのアウトリーチ事業についてグループディスカッションをしました。子ども食堂やサテライトカフェの中でジェンダー視点で寄り添いながらの事例は、今後のセンター運営に参考にしたいと思いました。

 久しぶりに対面での研修は、お互いの意見や反応が即時に伝わります。地域のニーズに合わせて、センターとしての役割を担っていく使命感の確認と、全国ネットワークの良さを充分に味わうことができた二日間でした。


2022年11月28日
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たんぽぽプロジェクト Happy Gift

生理用のナプキンを無料で配布する「たんぽぽプロジェクト」を
2022年6月から12月末までおこなっています。

*配布方法*
アトリオンビルの女性トイレに
引き換えのカードが置いてあります。
カードを提示していただけるとナプキンをお渡しします。

*場所*
秋田県中央男女共同参画センター(アトリオンビル6階)
ハーモニープラザ受付

*時間*
月曜日~金曜日 9:00~20:00
土日祝日 9:00~17:00
(カードがなくてもこの画面を見せていただければお渡しできます)

引き換えのカード
※写真のように、包装してお渡しします。

ナプキン(昼用1パック、夜用1パック)が入っています。
中が見えないようになっていますので、このままお持ち帰りできます。

どなたでもどうぞご利用ください!

(こちらの事業はあきたスギッチファンド 2022 秋田県「寄り添う市民活動」緊急サポートファンドの助成を頂いて実施しています)



2021年11月5日
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「全国女性会館協議会第65回全国大会in秋田」を開催しました。

一人ひとりが大切にされるフェアな社会と男女共同参画センターのこれからの在り方を全国の皆様と共に考える機会になりました。

大会開催にあたり、各団体、企業の皆様はじめ、一緒に大会をつくりあげてくださいました実行委員の方々、他、多くの方々からたくさんの、ご協力、ご協賛を賜りましたことに心より感謝を申し上げます。(NPO いきいきFネット秋田 理事長 佐藤加代子)


2019年11月9日
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「ハーモニープラザのマリッジスクール」を開催しました。

同じような価値観を持った人に出会いたい。一人一人の生き方を大切にする
「NPO法人いきいきFネット秋田」ならではの婚活!

*アンケート調査
結婚することが当たり前ではない時代に突入している今、親世代はどう思っているの?
子ども世代は‥?

*親世代・子世代が参加する「婚活セミナー」
講師/堀井 里子さん(国際教養大学助教)



*一緒につくって、たべよう「Happy Cooking」

~地方の婚活、結婚観と男女共同参画~
監修のことば/堀井 里子さん(国際教養大学助教)

(この事業は2019年度あきたスギッチファンド「少子化対策応援ファンド」の助成を頂いて実施しました)